Golden Apple
気配を感じて廊下の方を振りむく。
よし、と心の中で呟く。何となく気配は察知出来るようになってきた。
「楽しそうですね、何の話ですか?」
ミカミが穏やかに笑ってあたしの顔を見てくる。楽しくもないトーガの話、と答えた。
「え、めっちゃ盛り上がったじゃん。な、タチバナ!」
「ミカミとトウガの中学の話」
「中学…?」
「お前と俺、どっちがモテたかって話」
呆れた笑いに変わるミカミ。
靴を履き替えて、こちらへ来る。トーガが「ぜってー俺だった」と主張をしている。タチバナはどちらとも中学が違ったらしく、どちらの味方もせず。