Golden Apple
イライラしながらいつものベンチに座り込んだ。肌に当たる木の部分が冷たい。
前はすぐにミカミが追ってきた。
それを思い出して、立ち上がる。
ということはまたここに来るかもしれない。
ザクザクと駅へ歩き出した。
あたしは本当に学習しない。馬鹿じゃないけれど、馬鹿だ。
すとん、と小学生の居ないベンチに座る。
でもミカミもあたしと同じくらい学習していないと思う。人をどんだけ馬鹿にすれば気が済むんだあの貧弱野郎。
舌打ちをすると、前を通った中学生が怯えたようにこちらを窺った。