Golden Apple
冷たい空気の通る場所に脚を組んで一点を睨む。マンションに帰らないと言ったは良いものの、金も無ければ煙草もない。
こっちに来てから幹部以外の繋がりもない。
キッシーが通れば良いけれど、普通の家庭そうだしいきなり泊めさしてとは言えない。あたしもそのくらいの礼儀は弁えている。
通り行く人々を眺めていると、そこを通ったミヤシタと目が合った。
向こうも立ち止まる。
「…捨て猫ごっこ?」
「ちげーよ」
久しぶりに話した。学生に見つかったら面倒だな、と思いながらも少し懐かしい。
それだけ言って行くのかと見ていたら、近づいてくる。