Golden Apple

トーガだった。


「世間話だよ、おにーさん。じゃーなクラギ」

「うん」


ミヤシタが軽やかに動いて行ってしまった。それからミカミとあったことを思い出して、トーガに掴まれた手を振り解く。

周りを見回して姿を探した。


「ミカミは居ないよ。珍しくミヤシタがいると思って見てたらクラギちゃんが隣に居て驚いた」

「世間話してただけ」

「本当に? 今日寝る所探してたんじゃねえの?」


言われて気付く。そういえば無かったということを今まで忘れていた。

それに感づいたのかトーガは笑う。本当にこいつはよく笑う。ミカミみたいだ。



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