Golden Apple
天然なのか、それともすっとぼけてるのか。
先程の暴れ方も不完全燃焼で、それも相まって、奥歯の奥が疼く。
「味方になった奴とは仲良くしろって? そう説教したいならそのお仲間に言えば?」
「仲良くしろではなく、無視するという選択肢も頭に入れてください」
「くだらない」
「クラギ、よく聞いてください」
両手を握られる。
何故か、不快ではなかった。
本当に幼い子に言い聞かせるような口調。
「今の君に、ああいう連中は雑魚だ。相手にしなくても良いんですよ」
聞こえた言葉に、次はあたしがきょとんとする番。