Golden Apple
ミカミを見上げる。高校の制服を着ていた。
きちんと学年毎に違うネクタイを締めている。
真面目か、と無意識に感じて。
「…一年?」
「何?」
「てことはあたしと同学年?」
それを聞いてああ、と理解したらしい。
「そうですね」
「じゃあなんで敬語遣ってんの、気持ち悪いんだけど」
「口癖だと思ってください」
「お前の敬語、敬意感じないんだけど。逆に馬鹿にされてる気がする」
答えると、仕方がないという顔をした。
それから道の真ん中でする話でもないと思ったらしく、歩き始める。
手を握るというより、指を掴まれたまま。