Golden Apple
半分ミカミの所為。そういうことにしておこう。
争うことなく、男子は倉庫を走るように後にする。
女物のジャージを拾って投げる。よれた首元をかき抱くキッシー。
「ほら、落ちてた」
携帯もその膝に落とす。微かに震えている。
どうしてここにいたのかは推測がつかないけれど、あの四人に引きずり込まれてこんな感じになったのかな。
跳び箱に背を預けてその姿を見下げた。
「何してんの」
「ごめ…」
「キッシーいないから探しに行かされたんだけど」
怯えていた目がこちらを向く。
多分未遂だろう。衣服もそんなに乱れていないし。