Golden Apple
だったらどこに居ても一緒だと思うことは悪いことではない。
煙草の箱に手をつけると、タチバナの声。
「ヘビーに戻ってる、と」
本当に打ちやがった。そして送信した。
舌打ちをして煙草に火を点ける。
タチバナを視察に寄越すなんてミカミってそんなに偉いのか。多忙そうなのは確かに認めるけれど。
こちらに来て分かったことだ。
タクトとあまり長く一緒に居ないからか、ミカミがここの頭に感じる。
「嫌だな、俺まで怒られそうじゃん」
「クラギと一緒に居る時点で後が怖いな」
「クラギちゃんまさかの不幸神かよ」
勝手に決めるな。