Golden Apple
トーガを睨むと、降参というように手を上げる。不幸神ってなんだよ不幸神って。
「でも一回帰った方が良いんじゃね? ここにあんの制服だけじゃん」
「え、別にトーガの着てるから良い」
今着ているのもトーガの中学の時の長袖のTシャツ。首元はよれているけれど着れないものではない。
「お前ってどこでも生きていけるな」
「飯と眠れる所があれば十分」
「猫か。着替えが必要なら俺が持ってくる」
呆れながら言ったタチバナが立ち上がる。それを見上げたトーガが問うた。