Golden Apple
コウヅカの元に居た時、何度かこちら側の奴らとの抗争があった。それに参加したことはないけれど、遠くから見たことはあった。
その中で暴れた連中を迎えにきていた男だ。
「最終兵器な」
「クラギ、この男はあちらだとコウヅカに値する人間。一応、こちら側の頭になる」
「どーも」
差し出された手を握ろうとは思えなかった。
違和感を感じる。
この男が頭?
じゃあ、コウヅカと対等に話をつけたミカミは何者?
ミカミを見ると、いつもの貼り付けた笑顔を向けられるだけ。
「今はまだ警戒しているので、握手はまた今度にしてください」
やんわりと断る。