Golden Apple
猫か、とタクトは尤もなツッコミをして手を下ろした。
「で、なんだ? お前の御猫様は早速問題を起こしたと」
立ち上がったタクトは、ミカミよりも大分身長が高かった。それに少し驚いて半歩下がる。
ミカミはあたしとタクトの間に入った。
「それはもう解決したのと、始末はトウガにさせています。ここに来たのはきちんと号令をかけて貰いたいと思いまして」
「ああ、忘れてた」
「馬鹿は死んでも直らないって言いますからね」
「やめろ、お前に言われたら何も返せねえから」
肩を竦めてカウンターの椅子に座る。煙草を探すようにポケットを叩いたけれど、何もないみたい。