Golden Apple
最高なタイミング。
「大丈夫、トーガが言わなかったらミカミも気付かない」
「俺の古巣で暴れんな」
「半径三メーターに留めるよ」
ずんずんと近付くと向こうも目を細めた。そして足が止まる。
隣にいたヒガシノはキッシーの持っていた写真より大人びていた。驚いた顔をして、あたしと男を見比べている。
「此処で会ったが百年目」
呟いた言葉を最後。
あたしは男の襟刳りを掴んで引き摺る。
鋭く腕が振るわれるのを寸前で避けた。