Golden Apple
元幹部なだけあってかなり強い。
まあ、タクトと劣等感を感じるくらいだし。
一瞬、視界の端で動いたものに足が止まる。
…み、ミカミが。後ろに嫌なオーラを引き連れて、しかも大勢で…。
「クラギちゃん!」
トーガの声が聞こえて、顎の下を捉えられた。
首を掴まれた。く、と喉の奥から音が鳴る。
あたしが殴った痕が腫れ始めていた。その口元がニヤリと笑う。
指先がピクリとも動かない。背中が痛いと思ったらコンクリートに押さえつけられていた。
「どう?」
聞こえた声に、頭が違うことを考えた。
ミカミに怒られる。
ミカミの隣にいたのはタチバナか。