Golden Apple

元幹部なだけあってかなり強い。
まあ、タクトと劣等感を感じるくらいだし。

一瞬、視界の端で動いたものに足が止まる。

…み、ミカミが。後ろに嫌なオーラを引き連れて、しかも大勢で…。


「クラギちゃん!」


トーガの声が聞こえて、顎の下を捉えられた。

首を掴まれた。く、と喉の奥から音が鳴る。

あたしが殴った痕が腫れ始めていた。その口元がニヤリと笑う。

指先がピクリとも動かない。背中が痛いと思ったらコンクリートに押さえつけられていた。


「どう?」


聞こえた声に、頭が違うことを考えた。

ミカミに怒られる。
ミカミの隣にいたのはタチバナか。



< 312 / 475 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop