Golden Apple
いったい。
暫く痛みにぼけっとしていた。あたしを叩いた当人を見上げたのは少ししてから。
「…んだよ」
「へえ、良い顔するようになったじゃないか。クラギ」
「もう関係ない」
「もしかして売ったことを怒っているの? じゃあ今、ミカミから倍の金額で買い戻そうか」
美しい笑み。
アッシュがかった髪色。
「なんてね、怒らないでよ。クラギにとってこいつが敵でも、こちらにとっては一応仲間だからね」
「コウヅカ。聞きたいことが沢山あるんだけど」
うん? とコウヅカは首を傾げて、懐かしくもある仕草を見せた。