Golden Apple
目を覚ますとやはり天井。
樹海の中じゃないだけ良い。
起き上がると、頭の後ろが重かった。
頭痛とか吐き気はないけれど、だるさは抜けてない。
「水、飲めますか?」
横に気配を殺したミカミがいた。
差し出された水を流し込んで、喉を潤す。
「気分は?」
「だるい」
「覚えてますか、倉庫であったこと」
「ミカミが帰ろうって言った後から覚えてない」
ペットボトルの半分以上を飲んで、ベッドの下に置く。ふと部屋を見回すと自分の部屋じゃないことが分かった。
これはミカミの匂い。ミカミの部屋だ。