Golden Apple
絶望的な気持ちになって口を噤む。
あたしの隣に座ったミカミに腰を引き寄せられた。次は何をするのかと体を固くすると、笑われた。
ひょいっと体が浮いてミカミの脚の間に入った。後ろから抱き寄せられる。
「な、なな、な、」
「…大丈夫ですか?」
「心配するくらいなら離せや!」
「臆病な猫ほどよく鳴く」
首を絞めてやろうかと思った。本当に。
自分の首が噛まれるまでは。
「クラギ、あの後吐いたんですよ」
「…え、それで怒ってんの?」
ビクビクしながら聞く。