Golden Apple
ここは心になくとも謝っておこうかと口を開きかけた。
「そこじゃないですよ。何吐いたかわかりますか」
「分かりたくない…」
「麺ですよ、カップラーメンの。トーガの所でそればかり食べていたんじゃないですか?」
細かい…! 神経質…! 恐るべし元潔癖症。
「あたしの食べる物なんだから別に良いと思うんだけど。あたしの勝手、」
「抱き締めた瞬間、俺のコートを着てるのにトーガの匂いがするこっちの気持ちも考えて欲しいね」
ぎゅ、と腕に力が入った。
逃げる隙もない。