Golden Apple
どうすれば良いのか分からなくて、黙る。
そして静かに振り向いた。
「…反論は」
「降参」
「では、家出は今後一切しないと約束しますよね?」
するする、と最初の頃「雑魚相手に喧嘩はしない」と約束したようなぞんざいさで答える。
それでもミカミは手錠を外してくれた。
何のことはない玩具のようなそれは、内側に引っ張れば簡単に取れるものだった。
唖然と床に放られた手錠を見て、口を半開きにする。
「クラギを樹海に置いた彼は病院送りになりました。多分、単位を落として留年ですね」
「良い気味だ」