Golden Apple
前に座ったキッシーは抹茶オレを持ってきていた。それをテーブルに置いて、あたしを見る。
「あ、体育の先生がね。このままだと単位落とすぞって…そうだ、体育倉庫の男のこともありがとう」
「単位落とすで思い出すとか…」
「私に出来ることがあったら、何でも言ってね」
強い言葉だ。有り難く受け取っておく。
「うん、単位落としたら一緒に頼みこんで貰う」
「その前に引き摺ってでも連れてくから大丈夫だよー」
「…ありがと」
嬉しいような嬉しくないような。
キッシーの後ろでトーガとタチバナが手を上げてこっちに近付いてきた。