Golden Apple
タチバナの声に、その視線の先へ目をやった。
ミカミの姿。
その腕に綺麗な女の子を絡ませている。
学校でよく見る光景。
何かが変わったわけじゃない。
ミカミは綺麗だ。顔だけじゃない、腕も肌も、全部。
きゅ、と胸の奥が締め付けられる。
あたしの手は反対に汚いのに。
「最近お前とよく居るの見て、やっかんでくる女が出てくるって」
「それはミカミの宿命じゃないの」
タチバナの言葉に笑って答える。
「…どうせ、誰も誰のモノになんてなれない」
ミカミだって。
クラギだって。