Golden Apple
店内に入る前に女とは別れた。
ミカミはこちらの視線に気付かなかったみたいで、あたし達を捜している。
「ミカミ」
トーガが声をかける。
「すみません、遅くなりました」
「女の子とイチャイチャしてたの見てましたー、これだから坊ちゃんは」
「絡まれてただけですよ、行きましょう」
その言葉にあたしとタチバナが立ち上がり、トーガが慌ててキッシーから貰った抹茶オレを飲み干す。
一番最初に出たあたしが自然とミカミの隣を歩くようになって、自然と手が伸ばされる。
手を繋がれる、と思った瞬間、払っていた。