Golden Apple
カチリと少し歯がぶつかった。痛みに顔を顰めて離れようとするけれど、手が滑って結局ミカミの腕の中に落ちた。
舌が絡まる。全部を持っていかれそうになって、音を立てて唇が離れる。
「おはようございます」
「お前は…、生粋のスケベか!」
「寝起き早々酷い言葉ですね」
「寝起き悪過ぎんだよ馬鹿野郎!」
バッシンと頬を打ってやった。寝起きは反射神経が鈍くなるらしく、痛がるミカミは少し面白かった。
ケラケラ笑っていると、ミカミに睨まれた。
「疲れてんの?」
聞いてみる。