Golden Apple
「巻髪の姉ちゃん、来てないよ」
「お前すっかり板についてんなあ、情報屋にでもなるの?」
「それ沢山稼げる?」
「まず気にする所そこなのか」
笑うと、きょとんとした顔。何か、と目線で尋ねれば、
「どうしたの? 何かあったの?」
純粋な眼でそんなことを聞くから。
「なんで」
「なんか元気ない感じがしたから」
そんなことないって言いたかったけれど、喉に突っかかって出てこない。
「最近ここら辺物騒らしいから、気を付けて帰りな」
そう忠告することで誤魔化す。