Golden Apple
朝になってもミカミは帰らなかった。
教室に行くと、タチバナが前に立ちはだかる。
「ミカミ、帰ってきたか?」
おいおいお兄さんの顔になっちゃってるよ。
と、冗談を言う気分にもならなかったので、普通に「きてない」と答えた。何か知ってるのだろうか。
「メールしても返ってこない」
「文明機器も案外使えない」
「珍しいんだ、こんなの」
真面目そうな奴には、真剣な顔をして欲しくない。
喧嘩の前触れかと疑ってしまいそうになるから。