Golden Apple





朝になってもミカミは帰らなかった。

教室に行くと、タチバナが前に立ちはだかる。


「ミカミ、帰ってきたか?」


おいおいお兄さんの顔になっちゃってるよ。
と、冗談を言う気分にもならなかったので、普通に「きてない」と答えた。何か知ってるのだろうか。


「メールしても返ってこない」

「文明機器も案外使えない」

「珍しいんだ、こんなの」


真面目そうな奴には、真剣な顔をして欲しくない。

喧嘩の前触れかと疑ってしまいそうになるから。



< 380 / 475 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop