Golden Apple
「お前が背負ったランドセル持ってた小学生」
「は? その子は関係ねえだろ」
煙草を咥えながら話す。
そう思っていたいけれど。
ミヤシタが話しかけていたと、この前言っていたから。
関係ないと断言が出来ない。
「どちらにしても、俺が何処にいるか知っていたら、きっとお前に迎えに行けって言ってる」
「どういうこと?」
「あいつは昔からそうなんだよ。一人になったらいけない時に一人になりたがる」
あれ、タクトのこともそんな風にどっかの誰かが言っていたような。
少し笑うと怪訝な顔をされた。
「タクトと差しで話すの初めてだ」