Golden Apple
次に卯月が起き上がって、あたしの姿を見上げた。ぴょん、と飛び跳ねて首に巻きついてくる。
「姉ちゃん」
「ごめん、大丈夫? 怪我はない?」
「うん、ミカミが守ってくれた」
呼び捨てかよ、と今思うことではないけれど。
苦笑いするミカミの顔を小学生越しに見る。久しぶりのそれに、懐かしさや切なさなんかが入り混じって、泣きたい気持ちになる。
ミカミ曰わく物騒なものでその手錠を切り離し、細い胴体に抱きついた。
「コウヅカがタクトに喧嘩売ったって。多分、ミカミたちが拉致られたのはあたしを遠ざける為だと思う」