Golden Apple

後ろから腕を掴まれた。

トーガだった。何か、と顔を向けると納得できないというか不満の籠もった顔。

雨が降っても誰も傘をささない。持っていないだけかもしれない。


「ミカミが許さないと思うけど、絶対に」

「あ、そういえばミカミと卯月見つけたんだ。協力してくれてありがとう、トーガとタチバナ」


トーガ越しにタチバナを見た。

ハッとこちらに向けた顔が、いつしかのリサと似ていて、やはり兄妹なんだなと思った。


「それから、ミカミにちゃんと許可貰ってきた」


ふふ、と笑ってやった。

これはもう、楽しむしかない展開なのだから。



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