Golden Apple
あれから少しして普通に小学校に通い始めたとトーガが言っていた。
「そういえば、終業式はどうでした? というより、教室は」
「普通。普通にみんな話してる」
「そうですか、やっと終わりましたね」
何が? とは敢えて聞かなかった。
全部終わった。終わらせた。
対峙しているはずの奴等も、水面下では仲良くやっていたのかもしれない。
それが垣間見えた。
「うん、てことでミヤシタのとこ行ってくる」
「は?」
「ミヤシタ、この病院に入院してんの」
この病院は、タクトの彼女、フクちゃんの父親がお偉いさんとして持っているものらしい。