Golden Apple
肩に何かが掛かったのにびくりと起き上がる。眠気なんかは吹き飛んでいて、何者が来たのかと辺りを見回す。
「あ、ごめんね。起こしちゃったかな」
よく見るとフクちゃん。ということは、
「勝手に悪いな。ミカミの携帯取りに来たんだけど」
そういえばタクトが合い鍵を持ってるって聞いたな。目を擦りながら床に足をつける。
「キッチンの上の棚」
「なんでそんな所に」
「なんかあったら使って良いって。キッチンは殺意が芽生える所らしいから、ミカミ曰わく」
フクちゃんが掛けてくれたタオルケットを持ってキッチンへ歩く。棚の上を開けてそれを取った。