Golden Apple
繁華街の方へ歩き出す。
コウヅカを前に、あたしはミヤシタと並ぶ。
「誰かな、そんな酷いこと言う奴は」
「歳取るって怖いね、ミヤシタ」
「俺に振るな」
振り向いた笑顔が凍りついていたので、もうその話題を口にするのは止めた。
コウヅカの後ろを歩くと、不思議と前に戻った気持ちになる。
ミヤシタもコウヅカより背が高くなったのに、それよりきっと存在感がある。みんなが道を開けていくような、そんな感じ。
自然と周りを見回していた。
ミカミの姿を探していた。