Golden Apple
ケラケラ笑う隣のミヤシタを睨んで、酎ハイを流し込む。
こいつ等二人似ているから、トーガを二人かミヤシタを二人相手にしているような気がして疲れる。
タチバナにバトンタッチしようとそちらを見ると、タチバナもタチバナでタクトやコウヅカに弄られている…頑張れ。
「こんな感じだよ、昔から」
「え?」
「誰かが居なくてもいつもと同じ空気でいる。暗黙の了解みたいなもん」
トーガがそう言いながら煙草に火を点ける。
その匂いが記憶の底を滑ってくる。
誰かが居なくても。
ミヤシタの方を見た。楽しそうにしている コウヅカを見て嬉しそうに笑っている。