Golden Apple
こいつは結構頑丈なんだと思う。
それに比べて、励ました側のあたしは。
ケントが加わって、トーガがそちらに行ってしまった。あたしとミヤシタだけが、変な溝のこちらに取り残される。
「さっき、ミカミは居ないはずだって期待してたんだよ」
突然発したあたしの言葉に、ミヤシタは出汁巻き玉子を咀嚼しながら聞いている。飲み込んでから口を開いた。
「そのココロは?」
「ココロとかないけど、居ないで欲しいって本当に思ってた。捜しながら居なくて良いって可笑しくない?」
んーと唸る声。
ミヤシタになら話せる本音ってやつだ。