Golden Apple
「お化けみたいなもん? 居て欲しくないけど、居るんじゃないかって探しちゃう感じ」
「あー…なのかな」
「ミカミクンが放浪してる理由とそれが関係あるわけか。大凡、家関係か女関係か」
「どっちも、って言ったら?」
ふとこちらを見た。
何とも言えないって顔。
それはそうだ。
「婚約者がいたんだって。何処のお坊ちゃんだよ、てゆーか身分違いにも程がある」
この前、タクトとフクちゃんが朝早くに家に来たときに話してくれたこと。
「逃げてるらしいけど、ちゃんと拒否しない辺り、きっと断れないんだろうな。どんだけ頑張ったって地球は丸いし、一周したら元の場所に帰ってきちゃうし」