Golden Apple
くつくつと笑ったコウヅカの声で現実に戻る。
そちらを見ると、あたし達とは関係のないことで笑っているようだった。
ミヤシタに視線を戻すと良い飲みっぷり。
「…お前、嫌い」
「え」
「もう口利かない」
ええ、と困った顔をしているミヤシタから、つーんと顔を背けた。
「あーあ、ミヤシタ、クラギに嫌われたな」
「いやいやいや」
コウヅカはやっぱり聞いていたのかもしれない。ミヤシタで弄んでいるのを見ながら、あたしは半分夢の世界へ入っていた。
気付いたら店の入り口。