Golden Apple
自分の人生はこんなもんだろう、と。
「甘ったれてんなよ。こんな所ほっつき歩いて」
あたしと同じだよ。
あたし達と、同じ。
「誰かに見つけて欲しいんじゃないの? 赤ん坊でも、そんな方法知ってるよ!」
人が減った。何人かに振り返られる。
ミカミの脚が止まった。
ゆっくりと振り向く。その身体は、細いのにまた一回り細くなっている気がした。
「…いつまで迷子でいるつもり?」
きょとんとした顔をされる。
あたしがしたいっつーの。
でもまた穏やかに笑っているから、殴りたい気持ちは抑えた。