Golden Apple
煙草?
左の近くに座るミカミを見る。
「紹介する。この眼鏡がトウガ、君の母親」
「……は?」
聞き間違いだと思った。いや、聞き間違いじゃないと可笑しい。
「え、俺がおかーさん? 性別関係ねーの?」
「適任だと思ったので」
「マジで? まいっか」
良くねーよ。
眉を顰めたあたしに構うことなく紹介が進む。
「彼がタチバナ、君の父親」
白いシャツの男は何も言わない。抵抗を諦めないで欲しい。
「そしてタクトがお祖父さん」
「えー、俺じーさんかよ!」
「年齢的に」
「人をおっさん扱いすんな」