Golden Apple
舌打ちするタクト。あたしはというと、開いた口が塞がらない。
「で、僕が君の旦那です」
こいつやっぱり可笑しい。
電波だ、電波。
最初にそう気づいて逃げておくべきだった。
「…え、なに? ままごとは余所でやってくんない?」
「ああ、これにサインを。明日出してくるので」
カサカサとテーブルに置かれたのは婚姻届。
次は目を疑う番。
きちんと夫となる人の欄が埋まっている。
何事?
「大事な孫をミカミなんかにはやりません」
「そういう設定? 反対される結婚、そして駆け落ちみたいな?」
タクトとトーガが楽しんで話す。こいつら酔ってんのか。