Golden Apple
あたしは脚を組んだ上に肘をつく。
ミカミを睨みつけた。
でも奴は笑ってるだけ。
「要らない」
「何故?」
「本当の家族じゃないし、母親が男ってないし。なにこれ、あたしが女だからって馬鹿にしてんの?」
とんとんと婚姻届を指で叩く。
侮られているのか。
遊ばれているのか。
「トウガが母親じゃないにしても、君がここに名前を書けば家族が出来ますよ」
「そんな冗談、コウヅカでも言わない」
「君はコウヅカが大好きですね」
溜め息混じりにそう言われて、少しだけカチンとくる。