Golden Apple

冷たい、男にしては細い指。
こんな非力な男がコウヅカと話し合ったなんて、やっぱり笑える。

友達なんて、聞いたの何時以来だろうか。


「どうぞ御勝手に」

「本当に?」

「本当」


なんとなく思った。

あたしが求めることが怖いというなら、ミカミは人に嫌われるのが怖いのかもしれない。

綺麗な顔をしているし、礼儀正しいし、最初から人に嫌われたことが無いのかもしれない。


「では帰りましょう。あと、先程はすいません」

「え?」


一瞬何のことを言われているのか分からなかった。



< 61 / 475 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop