Golden Apple
冷たい、男にしては細い指。
こんな非力な男がコウヅカと話し合ったなんて、やっぱり笑える。
友達なんて、聞いたの何時以来だろうか。
「どうぞ御勝手に」
「本当に?」
「本当」
なんとなく思った。
あたしが求めることが怖いというなら、ミカミは人に嫌われるのが怖いのかもしれない。
綺麗な顔をしているし、礼儀正しいし、最初から人に嫌われたことが無いのかもしれない。
「では帰りましょう。あと、先程はすいません」
「え?」
一瞬何のことを言われているのか分からなかった。