Golden Apple
クリスマス前日。駅は人でごった返していた。
教室で女子が言っていた、イヴイヴってやつらしい。あたしにとってはただの天皇誕生日でしかない。天皇様誕生日おめでとう。
それは隣に居る小学生にとっても同じことで。
「姉ちゃんてサンタ信じてた?」
「既に夢が無い言い方、それ」
「本当に子供全員にプレゼント配ってたらサンタさんは五十メーター何秒で走れるんだって感じじゃん」
サンタクロースは走らねーよ。
あんな寸胴なおっさんに描かれる者が走ってたら逆に怖い。
「卯月は信じてなかったんだ」