Golden Apple

つか、あいつ二年なのか。

あたしの前に座るキッシーはしきりに携帯を気にしていた。そわそわと落ち着かない。

タクトの他にもう一人紹介された男の名前も思い出せなくて、終業式中ずっと考えていた。

教室に戻った後、前の席のミヤシタに聞こうと思ってしまうし。

気付けば下校時間で、机の上を彷徨く視線がミカミを捉えたのは声をかけられてからだった。


「何か?」


隣に立っていた事に驚いて見上げる。
不思議そうな顔をしてこちらを窺っている。


「何でもない」

「結構ずっと何かを考えていたみたいだけど」



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