Golden Apple
「いつからそこに居たの」
「かれこれ十五分」
「すぐに声かければ」
十五分もそこに立ってたとか怖すぎる。
鞄を持って立ち上がる。ミカミは今日もきちんとネクタイをしていた。
そしてきちんとマフラーをしている。
「……優等生か」
「今日は一緒に帰れないんです、暴力馬鹿さん」
「敬語遣えば良いって思ってる?」
「ということで、タチバナ、おとーさんと」
思わず口が開いた。
「どうしましたか?」
「そうか、タチバナだ」
「あ?」
後ろから聞こえた低い声。