Golden Apple
渋っていると、タチバナもそこを退かない。頑固なおとーさんだ。
後ろのトーガもまだ気配がある。挟まれたままでは動きにくい。
その時、外の通路を歩いてきた足音が止まる。
あたしと二人の間に沈黙が降りた。
予想の通り鍵をガチャリと開けて、入ってくる。
勿論、多分みんなミカミを予想していたわけで。
「うおっ」
「わ、なんだよお前等チキンが待ちきれなかったのかよ」
心底呆れた顔を見せたのはタクト。
玄関に総集合。これだけ見るとかなりマヌケというかシュールだ。
タクトが両手に持っているのは某有名チェーン店の箱。結構沢山。