Golden Apple
肩を竦めると、クスクスと笑われた。何が面白いのかは分からない。
部屋の中は出た時より取っ散らかっていた。
床に転がるビール缶を蹴る。
「ちょっと、片付ければ」
ソファーに横になるタクトは殆ど夢の中。トーガはテレビを見ながらまだビールを離さないでいるし、タチバナもまた然り。
溜め息を吐きながら赤い椅子に座る。ミカミに盗られた酎ハイの残りを喉に流し込む。
ケーキの甘い味は疾うに消えた。
天井を仰ぐ。その視界にミカミが映って、止まる。
「ミカミって、」