Golden Apple
酎ハイの缶を盗られる。
空のそれに呆れた顔をして、テーブルに戻す。
「うん」
「彼女居ないの?」
「居ませんね、今は。クラギは?」
「彼女なんて居ない」
「それは意外だ」
ソファーに座って足を投げたミカミ。煙草を咥えて火を点ける。
一連の動作を見てから、疑問が湧く。
「は? 意外ってなに?」
「冗談。君は黙って居れば可愛いから」
「静かでも煩くても女には興味ねーよ」
「もう少し、その口調を改めるともっと可愛くなると思うけど」
軽口を叩いたのをトーガは聞いていたのか視線はテレビに向けて笑っていた。