Golden Apple
一目でそう判断する。あたしより、キッシー寄りだ。
「あ、この子が林檎ちゃん?」
「いえ、クラギです。ケントは?」
「今すぐ来るよ。車置いてくるって」
あたしを見てふわりと笑う。林檎ちゃんって。
何も言うことはせずに黙っていた。ら、次にまた玄関の方から人が来る。
今日は訪問者が多い。
「今晩はー、回収しにきました」
タクトに似た声。ケントと呼ばれた男は、多分タクトの弟。
顔はあんまり似ていない。
そいつはそいつで、あたしに目もくれずにタクトと無理矢理肩を組んでずるずると引き摺っていった。