はじめての贈りもの
「……運が良ければ、1年でけがは治りそうなんじゃ。けががよくなれば、歩けるようにもなるだろう。だが、その……」


そのあとに続いたニコラスの言葉の意味が、ルドルフにはちっとも理解できませんでした。


――空を飛ぶのには、お前の体に負担がかかりすぎるのじゃ。


長い長い沈黙が二人の間を流れていきます。

時が経つほどニコラスの言葉は、ルドルフの胸をきゅうっと締め付けます。


「ぼくはもう空を走ることはできないの……?」


ルドルフの声が聞こえたのかどうかはわかりません。ニコラスは黙ってその場から立ち去りました。


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