はじめての贈りもの
仲間のトナカイたちは街への出発を心待ちに、白い雪の絨毯の上を駆け回っています。夜空に光るたくさんの星のようにそれはきらきらと輝いていました。


その光景をぼうっと見つめていたルドルフは、どうしようもなく惨めな気持ちに包まれました。

そして、いまだ治らない足を引きずりながらふらふらと小屋へ戻っていきました。



「ホーホー、ルドルフや。寒さで傷が疼くだろう?こっちで暖炉にあたっていきなさい」


聞き慣れたニコラスのトロンボーンより低く、やわらかな声はいつもより彼の心に響きわたります。



彼らが出会ったのは今から14年前、ルドルフが2歳になったばかりのころでした。



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