はじめての贈りもの
ルドルフは冬を越すために、新しいすみかを探し歩いていました。

そのとき後ろから、トナカイの声が聞こえてきました。


「やい、赤っ鼻~っ!」



生まれつき彼の鼻は燃え上がるような赤色です。ルビーのようにきらきらとひかるそれは、彼のお気に入りでした。

しかし、彼にとってはじめての冬が訪れたある日から、お気に入りではなくなってしまいました。


――真っ赤なお鼻のトナカイさんは
   いつもみんなのわらいもの


「ほら、はやくソリでも引いて来いよ~っ」


あくまでもそれは歌で、サンタクロースは存在しない。みんなはそれをわかっていて、彼をからかいました。
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