はじめての贈りもの
ルドルフはありのままの自分でいてはいけないような気がしました。


周りと少し違っている、というだけで罵られ、笑いものにされるからです。


遠くから聞こえるいじわるな声に耳を向けず、ルドルフは黙って歩き続けました。足どりは底なし沼を歩くようにどんどん重くなります。


それから2つの林を抜けたとき、彼の目に木でできた1つの小さな家が見えました。その家からはもくもくと白い煙があがり、あたたかなあまいにおいがしました。


ルドルフは周りを見わたし、誰もいないとわかると、ゆっくりとその家に近づきました。




そのときです。
後ろからだれかの声が聞こえました。
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